ギターのチューニング(調律)
まずは、基本的なチューニング方法で、おおざっぱな調整をしておきます。 ここでの調整は、5弦のAを音叉で合わせ、その他は平均律チューナーを使用しないで行なっています。
- 第5弦の調整:まずこの弦を音叉や調子笛などで1オクターブ高いハーモニックスの音、440Hzに合わせます。「A(ラ)」
- 第4弦の調整:5弦の第5フレットを押さえて、この4弦の開放弦を合わせます。「D(レ)」
- 第3弦の調整:4弦の第5フレットを押さえて、この3弦の開放弦を合わせます。「G(ソ)」
- 第2弦の調整:3弦の第4フレットを押さえて、この2弦の開放弦を合わせます。「B(シ)」
- 第1弦の調整:2弦の第5フレットを押さえて、この1弦の開放弦を合わせます。「E(ミ)」
- 第6弦の調整:最後に6弦の第5フレットを押さえて、5弦の開放弦を鳴らし6弦を調整します。「E(ミ)」
☆上に掲載されている音声ファイル(MP3)は、ここで説明している調整済みのチューニング音です。
次に、微妙な調整に入ります。この調整を行なうことにより、よりきれいな響きが得られます。
- 3弦から6弦までの各4度音程をハーモニックスを使って調整します。(2音間のうなりをなくす)
- 4弦の開放弦「D」を元にして、オクターブ高い2弦の第3フレットの「D」を調整します。
- 2弦の第5フレットの「E」を基本に1弦の開放弦を合わせます。
- 弦の交換直後は、すぐに音程がずれるので繰り返し調整をします。
☆ ハーモニックス=弦を軽く押さえて純粋音を鳴らすこと。フラジョレット。
☆うなり=少ない振動数の違いによって生じるゆっくりとした音の変化。2つの振動数が等しくなれば、うなりは消える。
以上の調整により以下のことが考えられます。3〜6弦の組から見ると、1と2弦の組は、平均律より15セント程、低く調整されます。 そのため、3弦の第4フレットと2弦の開放弦は、ユニゾン(同じ高さの音)でありながら少しのずれが生じます。 ギターの2弦と3弦の開放弦の間隔だけが3度になっていて、この3度を純正に近づけると、きれいに響くのではないかと思います。
いずれにしても、6から3弦を合わせるのは、そんなに難しくないと思います。 また、2と1弦を合わせるのもそんなに難しくないと思います。 一番難しいのは、6から3弦と2と1弦のその2組みを程よく調和させることで、 より美しい響きのチューニング結果が得られるのではないかと思います。
キタラン自身も、この調整方法は、厳密に理解していませんが、平均律のチューナーで合わせた調整とは違った 雰囲気の、チューニングになることだけは確かです。 又、キタランの場合、合奏しない時には、A=440Hzは、あまりこだわらず、6弦間での調和を重視しています。 |
ヒント:平均律の4度は純正とほぼ同じです。平均律の3度は純正とは異なり、きれいな響きが得られません。(音程の高い弦を低く調整する)
2から10セント程度の微妙な調整なので、かなり難しく感じられるかもしれません。そんな時は
あまり深く考えずに、平均律式の通常の調整をしたほうがいいかもしれません。
幾度か調整していて、いずれ気が付く時があるかもしれませんので、気長に挑戦してみて下さい。
- 平均律:最も一般的な調整法で、現在ほとんどの音楽に用いられている音階基準。平均律の3度は純正と15セント異なり、平均律の4度は純正と2セント異なる。
- 純正律:異なった2つの音が、最もきれいに響くように調整される音程基準。
チューニングには、この他、特殊な方法として、オープンコードチューニング(G,E,D)と呼ばれるものもあるようです。 また、基準ピッチ(A=440Hz)は、他に、444Hz、431Hzなど、さまざまな値が使われているようですが、444Hzは、 特に響きが心地よく体にもいいようです。キタランは、2021年の時点では、431Hzを使っています。
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